剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「あの噂信じてるの?」
香取くんが不服そうな顔をした。
「中1の時、同じクラスの派手な女が「付き合って」って言うからこっちもよく分かんないから適当に返事したら、「香取くんと付き合ってるの」って学校中に触れて回るからめんどくさくなって3日で別れた」
それはそれで…どうかと思うよ…
「もういいだろ?そんな話」
言いながら香取くんは両腕で私を抱き締めるともう一度キスをした。
「香取く…」
(まだ社会人の彼女のこと聞いてないよ…)
そう思うけれど蕩けるようなキスに抗えなくて、もうこのまま全部全部受け入れてしまってもいいかな、なんて私自身も蕩けてしまいそうになった時─
カチャ、カチャン!キィ…
「!!」
「ちっ!」
階下からの音に私は心臓が跳ね上がり、香取くんは舌打ちした。
ドサッと重い荷物を置くような音がした後、しばらくしてトントンと階段を上がってくる音がする。
香取くんは惜しむようにもうひとつ私にキスを落としてから身体を離した。
「誰なの?」
「歳の離れた俺の…」
香取くんが応えるのと同時にドアがノックされ、カチャッと扉が開く。そして、
「透真くーん♪」
と、ストレートの黒髪ボブが印象的なスレンダー美女が現れた。