剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「こんにちは…」

 金色の陽の光の中、少しはにかんだように星宮が言う。

 もう一度ちらっと眼の端に彼女を見る。
 いつもは肩にかかるふわふわとカールした髪が、今日はくるりとアップにされて、耳の後ろに清楚な小花のかんざしが揺れている。
 ピンクの浴衣も帯やバッグや下駄の鼻緒が渋めの赤でまとめられ、程よく大人っぽく良く似合っていた。


 ねぇ、それを俺はどう捉えればいい?

 俺を意識して着飾ってきたの?
 それとも意識してないから平気で着飾ってきたの?

 あぁ、悩ましい…


「……」


 夢みたいに儚い色に彩られた星宮に言葉を失って、俺はふいと彼女の前を通り過ぎる。


「…行こ」


 どうにか出てきた言葉はそんな素っ気ないたった一言それだけ。


「あ、うん」
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