剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?


「俺は…


 星宮の傍にずっといたい」


 ボン!ボボン!!パンパパン!!

 後半は弾ける爆音と歓声に掻き消され、声は星宮には届かなかったろう。

 
 空から星宮へと眼を移す。
 俺を映す彼女の瞳は煌めく灯を映して殊更綺麗に見えた。

 その瞳が何か言いたげに瞬く。

 そんな不安そうにするなよ。

 ごめん、好きになって…


 ボー…ン…

 今日最後の一番大きな花が宙に咲く。それは煌めいて瞬いて、いつしか遠い夜空の星に溶けてゆっくりと消えていった。
 美しくもどこか不安定で、まるで君のように─



「…帰ろう」


 重ねていた掌を離し、立ち上がる。

 本当はもっと触れていたい。
 けど、分かってる。君はそれを望んでないよな─


「ん…」

 小さく答えて、星宮が立ち上がった。


        *
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