剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
 授業が始まり、私は恐る恐る香取くんに声を掛けた。


「あの香取くん。ごめん、国語の教科書忘れちゃって…
 見せてもらえるかな…?」

「……」


 香取くんはいつものように何も言わず私の方へと教科書を寄せてくれた。


「この段落に筆者の言いたいことが書かれていることが分かるわけだ。ではここに傍線を引いて─」

 先生の説明に香取くんが教科書に線を引く。
 私の視線の先でシャーペンを握る香取くんのしなやかな指が動く。


(書きにくいんじゃないかな。なんか…申し訳ないな…)

なんて、ちょっと居心地悪い。


 こんな日に限って先生はやたら傍線を引かせる。


(早く終わらないかな…)

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