剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
麗しの無愛想男子
「リボン、よしっ!」
鏡の前で指差し称呼する。
「髪型、よしっ!」
今朝は寝癖もなくて、手櫛でくるんと巻いた毛先も可愛い。
「いってきまーす!」
4月。
今日から花の女子高生!
陽春の朝の太陽はきらきら。
自転車で走る川沿いの桜は満開。
(気持ちいいなぁ)
「瑠璃ー」
今日から通う学校の正門をくぐると、中学からの友人 知世の声がした。
ふたりで春休みにあったことなんか喋りながら、掲示板に張り出されたクラス編成表を見に行く。
「あっ!あった!」
「1年1組!また一緒だね!」
ふたり手を取り合って喜び合った。
「これでクラスにカッコいい子とかいたら最高だね!」
「あはは…」
ふたり笑い合いながら教室へ向かう。
新しい席は窓際の一番前。
窓から入り込む幽かに花の香りを含む風がカーテンを揺らす。
(なんて完璧な高校デビュー!)
今朝は目覚ましより早く起きられたし、朝ごはんの目玉焼きは美味しかったし、私のこれからの高校生活を応援してくれるみたいに全部のことが煌めいていた。
(幸先いいな)
始業までまだ時間がある。
「私トイレ行ってくるね」
と教室を出た。