剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「はじめ!」

「やぁぁぁぁっ!」

「しゃーーーっ!」


(な、何この気迫…)

 見てるだけで怖い…


「メェェェン!」

 振りかぶった大将が竹刀を振り下ろす。
 それを『アイツ』と呼ばれた青年剣士が竹刀で防ぐ。


 ビシィィィッ!!

 パン!パパンッ!

 打ち合いからのぎりぎりとした鍔迫り合い。


「分かれ!」

 審判の声に竹刀が離れ、即座に青年剣士が構え直す。


「りゃあぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁぁーっ!」

 青年剣士の掛け声に、負けじと大将が雄叫びを上げる。


 睨み合うように対峙した二人が、先に動いたのは大将だった。

「メェェェェン!」


 振り下ろされた竹刀が青年剣士の顔先を掠め、次の瞬間、


「小手ェェェッ!」


 彼の竹刀が大将の左手の甲を打った。


「一本!小手あり!」


 審判が手を挙げる。


「えっ?えっ?今のどうなったの!?」

「今のはテニスで言うところのマッチポイントね」

(そうなんだ…)


 試合場では二人が再び構える。


 その時ギャラリーの中からひそひそと声が聞こえた。


「香取、やるなぁ」


(え…?)


 まさか、あの青年剣士が…香取くん…?
 一本も落とすことなく4人に勝ち抜き、今はまさに大将にも勝とうというこの人が香取くん…?
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