剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「知世、あの人…」
「あれはね
香取くんだよ」
「二本目っ!!」
「やぁぁぁぁっ!」
(あぁ、やっぱり香取くんなんだ…)
香取くんが中段に構える。背筋も腕もぴしりと伸びて、背の高い香取くんが何時にも増して大きく見える。
「キェアァァァァ!!」
大将の気合いみなぎる声。
(香取くん、頑張って…)
私は思わず胸の前で両手を握り締める。
間合いを見極めながら二人、じりじりと動く。そこにはお互い一分の隙もない。
「とーぉぉぉう!」
打ちかかる香取くんの竹刀を大将のそれが受け止める。
パァーン、パン、パンッ!!
ダンダンッと床を踏む音。叫ぶような掛け声。
(香取くん!)
それをただ固唾を飲んで見守るしか出来ない私。
しばらく拮抗していた中、不意に香取くんが動いた。
「面ーーーッ!!」
切っ先が美しい弧を描き、振り下ろされる。
一瞬、その場にいた皆が息を飲んだ。
スローモーションみたいに彼の竹刀が大将の面を打つ。
パァァァーーーン!!
刹那の間。そして─
「面あり!勝負あり!!」