剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「おはよ」

「おはよう香取くん」

 今日もみんなで朝からお喋りに花を咲かせていると、香取くんが通りすがる。


 香取くんと私の様子をのりかちゃんとまひろちゃんがじっとり見ながら言う。

「いいなー瑠璃ちゃん」

「いや別に…いいとかじゃ…」

「あたしも香取くんと仲良くなりたいな~」

 私はあはは…と乾いた声で笑った。


(でもケンカ止めなきゃだけどね…)


「あっそうだ!ね、ね、ね!今日のカラオケ、香取くんも誘ってみない!?」

「え…」

「いいねいいね!そうしよう!」

「だね!前は全然無理めだったけど、今の香取くんだったら来てくれるかも!」


 知世の提案にふたりが盛り上がっているけど…
 いや、さすがにそれは…無理じゃないかな?そこまでフレンドリーじゃないよ、あの人…

 私の思いは余所に、のりかちゃんは直ぐさま香取くんのところに駆け寄っていく。


「香取くーん!今日帰りにみんなでカラオケ行くんだけどさぁ、香取くんも一緒に行こうよ!!」

 こうやって誘ってくれてもどうせまた一蹴するんでしょ、なんて、心のどこかで香取くんを責めながらのりかちゃんを見守る。


「……」


(あれ?)

『行かない』って即答じゃないんだ?


「…みんなって誰?」

「えっ!あ、あぁまひろとか、あと男の子たちも来るよ」

「星宮は?」

「瑠璃ちゃん?」


「星宮来るなら行ってもいいよ」


(えぇぇっ!)


「るっ、瑠璃ちゃんもちろん来るよ!だから、ねっ!!一緒行こっ!!」

「ん」


 のりかちゃんが私たちのもとに駆け戻ってくる。

「ちょっとぉ!来る、来るって!!」

「きゃーッ!えっ、すごいよ!やだ、みんなに自慢する!!」

「瑠璃GJ!!」

 初めての展開にみんな軽くパニックになる。


 けど一番驚いてるのは多分私なわけで。


 だって
 
『星宮来るなら行ってもいいよ』

なんて…

(一体どういう意味…?)


 みんなにくしゃくしゃと頭を撫でられながら私は呆然としていた。

        *
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