剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
シャラシャラ…

 プラスチックのコップを揺すると氷が涼しげな音を立てる。


 放課後。カラオケ店のラウンジ。

 みんなはまだまだテンションMAXだけど、私は少し疲れてしまってドリンクバーのメロンソーダでひとり、ひと休みしていた。



『星宮来るなら行ってもいいよ』─


 そう言った香取くんはというと…


「香取くん、何か歌いなよ~」

「そうだぞ香取!」

「そういうの興味ない」

(この人何しに来たんだろう…?)


 とは言え、みんなに強引にマイクを押し付けられて1曲だけ歌った今人気の男性アーティストの映画主題歌はものすごく上手で。

「やだ!!香取くん歌ってもカッコいい~!」

「なんだよ!お前にこんな特技があるなんて!!」

 女の子たちの感嘆の溜め息と男の子たちの驚愕の声で室内が満たされた─



 私はメロンソーダのストローに口を付ける。
 部屋から漏れる誰かのノリノリな歌声の断片がラウンジに聞こえる。

(みんなすっごい元気…)

 興味なさそうな香取くんも結局ここまで付き合ってるし…

(楽しめてるのかな?)
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