剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「!?」


「あのさ、昇降口どこか知ってる?」


 唐突に問われ、

「あっ!はっ!はいぃっ!!」

 慌てて返事する。

「あの!この新校舎をぐるっと廻った向こう側で!す!」

 慌て過ぎて変なところで切れた。


(やだ私ったら!)

 更におろおろしていると、


「どうも」


とだけ言って、男の子は新校舎の方へ歩いて行った。


 その背中を

(後ろ姿も姿勢がしゅっとしてるなぁ…)

なんて、思わず見送る。


 キーンコーンカーンコーン…

 そこにチャイムが鳴った。


「やばっ!戻らなくちゃ!」

 入学式が始まっちゃう!


 カッコいい男の子にも出会えたし、やっぱり高校生活の出だしは上々、かな?


 これから私はここでたくさん友達を作って、いっぱい遊んで、それから、少しは勉強して、青春を謳歌するのだ!


(それに…素敵な男の子と恋したり…)

 急ぎ足で教室に戻りながらむふふと笑う。


(さあ!思いっきり青春するぞっ!!)


 私は光溢れる教室に足を踏み入れた。


     *   *   *
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