剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「ね?さっきの男の子、何て言うの?」
次の休み時間、知世がさっきの女の子たちに声を掛けた。
「え?あぁ、香取くんのこと?」
「同中だったわけね?随分カッコいいけどモデルかなんかなわけ?」
「そういうんじゃないけど、東中のアイドルだよねー」
女の子たちが顔を見合わせ、にっと笑う。
「香取透真くんていってね、東中の剣道部のエースでさ」
「制服姿だっていい加減カッコいいでしょ?これが道着姿なんかもう振り向かない女の子なんていないんだからぁ!」
女の子たちがなぜか自慢げに言う。
「性格はめちゃめちゃ硬派でクール。これがまたたまらないんだー!」
と言って、きゃー!と歓声が上がる。
「へ…へぇ…」
「ねぇ、もしかして香取くんのこと狙ってたりする?」
若干退き気味の私たちに女の子たちが詰め寄った。
「えっ?」
滅相もないですが…
「悪いこと言わない、やめといた方がいいよ。傷付く前に」
「え…?」
「香取くんてめっちゃモテるのにホントに女の子に興味ないのよ」
「そうそう。今まで彼と付き合った人もクラスのマドンナとか社会人らしい年上の女の人とからしくて、そういう高スペック女子ならまだしも私たちみたいなフツーの女の子じゃ相手にされないんだよね」
「ま、私たちは見てるだけで十分ってもう割り切ってるけど、知らないと本気になっちゃうからねー。見てて可哀想で」