剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「お待たせ致しました。スパゲッティボロネーゼとペスカトーレでございます」
テーブルの上に湯気を立てたスパゲッティが置かれ、店の人が立ち去ると、香取くんはおもむろに口を開く。
「彼氏が彼女にプールなんか行って欲しくないの当たり前だと思わない?」
「え…?」
「誰が見てるかも分かんないのに、水着で歩かせるとかあり得ないじゃん。ましてや男も一緒に行くんでしょ?仲間内だってどんな目で見てるか怪しいよ?」
「誰が見てるか、って…」
別に私、そんなセクシーボディとかじゃないもん、誰も見てないよ。しかも一緒に行くのなんて飯沼くんたちだもの。確かに、浴衣似合いそうとは言われたことはあるけど、それだけだもん。どんな目もないよ。
腑に落ちない私に気付いて香取くんが言う。
「その辺の感覚が汲めないなら、星宮、15点だよ」
(15点て!?)
そんな最低点数付けられるような大袈裟な話!?
「とにかく俺は星宮の水着姿とか晒すの認めないから」
「だ、だったらじゃあ香取くんが一緒に行って隣で守ってくれればいいじゃんっ!」
「…そんなん出来るわけないだろ」
「どうして?」
「お前さ…俺にどんな苦行を強いろうとしてるわけ?」
「へ?苦行?」
「俺にどんだけ我慢させようとしてるんだ、って話」
(我慢?)
「早く食べないと伸びるぞ」
そう言って香取くんはフォークを取り上げると、ボロネーゼを器用にくるくると巻き付けて食べ始める。
「う、うん」
香取くんの言ってる意味がよく分からない私はやっぱり15点なのかな…?
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