剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「ったぁ…」
「ごっ!ごめん香取くんっ!
……!!」
慌てて身を起こそうとして気付いた。
香取くんに抱き抱えられるようにして倒れていることに─
「ーーッ!」
急激に脈打つ胸。かっと燃える頬。
全身に力が入って身を小さくする。
「……」
同じくこの状況に気付いたらしい香取くんが半身を起こし、こちらを見下ろしていた。
香取くんに押し倒されるような格好で、お互いの視線が絡み合う。
天井の灯りを背にした香取くんの顔に垂れた前髪が更に影を深くする。透き通る瞳も翳って見える。
「…星宮」
香取くんが私を呼んだ。
そして、香取くんの手が私の頬を包み、指で髪を梳きながら頭の後ろに回った。
香取くんは切なげに眼を細め、そして…
「あ…」
私に覆い被さり唇を重ねる。
唇が唇を求める、いつになく熱く激しい口付け。
(か…香取くん、ダメだよこんな…)
香取くんの肩を押し戻そうとするけれど香取くんはびくともしない。
それどころか手首を捕まれ、床に押し付けられてしまう。
(あっ!)
香取くんの重さが身体に、唇にのし掛かる。
(く、苦し…)
「んっ…!」
私がもがくと、離れがたそうにゆっくり唇が離れた。
再び見つめ合うふたりの息が上がっている。
香取くんの少し開いた唇から忙しく呼吸が漏れる。
眉間に皺を寄せて、私を見つめる瞳には影が落ちる。どこか哀しげな憂いを含むような瞳。
(香取くん…?)
私は何度となくそれを見ているはずなのに、その意味は今も分からずにいる。
「星宮」
やにわに香取くんは私の首筋に顔を埋めた。前髪が肩に触れ、吐息が胸元にかかる。
手首を掴んだ手が少しずつ私の肘から二の腕と滑り上がってくる。
「や…」
身をよじると、スカートのスカラップカットの裾が捲れて片脚が露になった。