剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
隣の予想外男子

 5月。


「……」

(……)


 私の隣に香取くんがいる。

 席替えをしたら香取くんの隣の席になってしまったのだ。


(こんな人とどうコミュニケーション取ってけばいいわけ…?)

 挨拶もろくにできる気がしない…

 空はこんなに気持ちいいのに、初夏の青葉はこんなに綺麗なのにちょっと、雰囲気が重い…


        *

「あれ?瑠璃日直?」


 3時間目の後の休み時間、日誌を書く私に知世が訊ねた。


「うん」

「香取くんと?」

「う…うん」

「羨ましー」

「ぐ…」


 ちっとも羨ましくないよ。何て話しかけていいか息が詰まるもん…


 そこに席を外していた香取くんが隣の席に戻ってきた。


「あっ!あのっ香取くん!」

 香取くんは返事もせずただ私の方へちらりと眼を遣る。

「日誌、3時間目まで書いたからあとお願いして…いい?」


 香取くんに日誌を差し出すと、彼は何も言わずすっと取り上げた。


(はぁぁ…やっぱなんかやりにくいよ)


        *
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