剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
剣心一如!副将男子

 11月。

 香取くんの試合の日がやって来た。


(ホントに私が行ってもいいのかな…?)


『星宮に見に来て欲しい』

 結局香取くんの真意は分からないまま。


『どうして私を呼んだの?』

と訊ねることも出来たのだろうけど、勇気が出なかった。

 正直今もまだ迷ってる。
 会場に行くべきか、否か…


 あまりよく眠れなかった頭でベッドの縁に腰掛ける。
 カーテンの隙間から朝陽が漏れている。外はきっと私の気持ちと裏腹な高い空。


 ピンポーン

 ヘッドボードの棚に置いたスマホが短く鳴った。

 手に取るとポップアップには…


(香取くん…)

 心臓が大きくドキンと鳴った。


『待ってるから』

 たった一言のメッセージ。


 私はスマホを胸に抱いて立ち上がった。

        *
< 91 / 131 >

この作品をシェア

pagetop