剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
なんて思った時、近付きかけた香取くんの手が閉じ、止まった。香取くんはそのままさっと手を引っ込める。
「星宮」
香取くんが凛とした声で私を呼んだ。
「俺の本気、見てて」
「香取くん…」
香取くんは片手を挙げてみせ、もう一度小さく微笑むと、踵を返して控え室の方へ戻って行った。
(香取くんの本気…)
そうか、そういうことだったんだ。
私が香取くんを傷付けたから…
(香取くんごめんね。それから、頑張って!)
今の私に出来ることは貴方を精一杯応援することしかないから─
だから今日はただ貴方のことだけを瞳に映す。ただ貴方のことだけを想う。
それが貴方への何よりの誠意だと思うから─
私は心に決めて観客席に上がった。
* * *