剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

 決勝戦の対戦相手は強豪の昨年の優勝校。

 出来ることなら中堅までの3人が勝ってくれたらいいのだけど…

(そう簡単には勝てないよね…)


 案の定これまで調子が良かった先鋒が崩され、一勝二敗で香取くんに回ってきた。

 香取くんが立ち上がり、試合場へと進む。


 と、試合場の脇まで来てこちらを見上げた。


(!)

 試合に集中して気付いてないと思ってたけど、香取くんは私がここにいること知ってたんだ。


 そしてこんな場面で私を振り返る。

『星宮、俺を見てて』

って言うみたいに─


(香取くんッ!)

 私は観客席の最前列で目一杯手を振る。片手じゃ足りなくて両手を振る。


 それに香取くんは小さく、でもはっきりと頷く。

 そして顔を上げ、胸を張り、堂々とした歩みで試合場に入る。


(香取くん、香取くんっ!

 …大好き)
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