星降る夜の月


思い当たる節はある。


多分、「あれ」が原因だと思う。


今思えば、私にも非はあったのだ。


あの時は、自分の正義に酔っていた。


それが分かったからといって、簡単に学校へは行けなかった。


やっぱり、自分の非を認めることが怖いのだ。


それでここまで来てしまった。


今さら引き返せない。


週に1度、学校から郵送される授業で扱った問題に目を戻す。


今は数学を解いている。


勉強なんて学校に行かなくても出来るし。


そう思えば、学校に行く理由は失われてしまうのだった。


証明問題を解いて、気を鎮める。


解いたら解答を見る。


……やった、合ってる。


ほら、学校なんて私には必要ない。


問題を解くことで、私は学校に行くことの無意味さを証明したいのかもしれない。


1人でも、勉強は出来るんだって。


友達は、いらない。


本当の事と嘘がないまぜになっているから。


私には見極められなかった。


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