片想い、余命2日
そんな期待を抱いて、俺は由依の顔を見た。
だが、由依は俺のそんな期待を裏切り、呆れた顔をしていた。
「馬鹿だね、壱は。本当に馬鹿」
……少し刺さる。
自覚している分、わりとくる。
すると、急に左頬に冷えたペットボトルが当てられた。
「自業自得だから、手当てはしないよ。でも、お見舞いにどうぞ」
俺は由依からそれを受け取る。
……飲みかけだ。
「由依、これ」
「あれ、壱って炭酸飲めないっけ?」
そういうことが言いたいわけじゃない。
……なんで俺、これくらいでドキドキしてんだよ。
中学生か。
「あ、わかった。間接キスのこと?」
伝わったみたいで。
そう思った瞬間、由依は思いっきり笑った。
「今さらそんなこと気にしてどうするのよ」
たしかにそうだけど。
いや、好きな人とって、そんなの関係ないんだけど。
やばい、呆れてため息しか出ない。