片想い、余命2日
「ははっ。単純だね、片倉」
……返す言葉もない。
でも、あんなこと言われたら気になるに決まってるだろ。
「座りなよ」
俺はさっきと同じところに座った。
花井が笑ってるけど、気にしない。
「そこまでして知りたいの?」
「いいから話せよ」
花井が笑い続けているから、イラついて、つい乱暴に言ってしまった。
「女子に優しかった片倉壱はどうしたの。まあ、私は今のあんたのほうが好きだけど」
俺はもう、由依以外いらないから。
ほかの女子に気を配るつもりはない。
「私、優しい優しい片倉君は嫌いだったの。それで、由依にあいつのどこがいいのって聞いたことがあって」
まあ……ないって言ったんだろうな。
「そしたら、わからないって言った」
ほらな。
だと思ったよ。
「でもそういうとこも含めて好きなんだって。由依は、片倉の全部が好きだったんじゃないかな」