片想い、余命2日
「由依」
すると、深優が私の腕を引っ張り、耳打ちしてきた。
「愛されてるね」
「は?」
よく見れば、深優はニヤニヤと笑っている。
……なにを話していたのか、さっきとは違う理由で気になるんだけど。
「さて、邪魔者は消えようかな」
深優は私が止めるより先に、校舎を出ていった。
「俺らも帰ろうぜ」
壱が靴に履き替えたから、私も靴を履いた。
そして、壱はそっと私の手を取った。
慣れてるな。
「なあ、由依。もしかしてヤキモチ……」
「そ、そんなわけないでしょ!」
って、こんな否定の仕方だと、そうだと言ってるようなものだよ……
「由依、素直に言えよ」
「……ごめん、ちょっと整理させて」
気持ちはもう、なくなってると思ったのに。
やっぱり好きって……いいのかな、そんなの。
「壱、私……」