片想い、余命2日
「でもさ、なんで無理って思うの?」
「それは……」
壱の歴代彼女はみんな、揃って美人だから。
私とは真反対の子たちばっかり。
ある種のいじめかと思ったこともある。
お前とは釣り合わない、俺のことは諦めろって言われてるみたいな気になるしね。
「まあどうでもいいんだけど」
ならなぜ聞いた。
「あれだけ女子に囲まれてるところを見たらイライラする」
「……深優も壱のこと?」
すると、深優は足を止めた。
顔はものすごく嫌そう。
「由依には悪いけど、私はアイツが嫌いなの」
ええ、知ってますとも。
知ってるけど、あんなこと言われたらそうじゃないかって思うよ、普通。
「奴のどこがいいのかわからない」
深優はそう呟いて、私の先を歩く。
壱のなにがいいか、か。
「私もわかんないな……」
「ん?」
……嬉しそうな顔をしないで、本当に。