片想い、余命2日


図星だった。


私が気にしているのは、壱のことじゃない。



「私的には、そっちのほうがおかしいと思うけど」


「どうして?」


「由依は誰と恋愛してるの?」



誰とって……答えるまでもないよ。



「ならどうして、片倉じゃなくて周りのことを気にしてるの?」



返す言葉もなかった。


そっか、壱のことだけを考えてもいいんだ。


そう思うと、少し気が楽になったし、どうすればいいのかわかった。


「ありがとう、深優」


すると、深優は私の髪を思いっきりぐしゃぐしゃにした。


「頑張れ」


たくさん言うよりも、この一言のほうが嬉しいことってあるんだなって実感した。


そして翌日は壱にどんな言葉で伝えるか、1日中考えてた。



想っている相手に気持ちを伝えるって、こんなに緊張するものかと、少し驚く。


そのせいで、なにを言えばいいのか、余計にわからなくなる。


だから、たった2文字落ち着いたわけだけど。

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