片想い、余命2日
耳元でそんなつぶやきが聞こえた。
私はその言葉に答えるように、壱を抱きしめる力を強めた。
「由依、大好き」
そんな言葉とともに、優しいキスをされた。
そして数日後、私たちが付き合ったことは瞬く間に学校中の人に知られた。
もともと壱が人気者で、軽い人と知られていたから、余計に広まった。
壱の彼女はどんな人かと、休み時間ごとにたくさんの生徒が教室前の廊下に集まった。
私はなんだかいやになって、顔を伏せた。
「わあ、由依まで人気者だ」
なんて他人事のように言う深優は、目が怖かった。
「それは困ったな」
出た、元凶。
私は深優の横に立つ壱をにらんだ。
すると、壱は私の腕を引っ張って立たせると、そのまま抱きしめた。
まあ当然、冷やかしの声だったり悲鳴の声が上がるわけですが。
「お前ら!こいつは俺のだから、絶対に手を出すなよ!」
教室全体に聞こえる、大きな声だった。