片想い、余命2日
なんてグダグダ考えてたら、いつの間にか美術の授業が終わっていた。
結局まとまらなかったや。
「三沢由依、いる?」
すると、壱が美術室の出入り口に立っていて、私を呼んだ。
……周りの女子に睨まれるのですが。
私は必死に逃げるように、壱の視界から隠れた。
これが、嫉妬する資格のない行動だってわかっていても、反射的にやってしまう。
「由依、見つけた」
机の下に屈んでいたら、目の前に足があって、上から壱の声がした。
なんで中に入ってるの……!
「由依、話がある」
「わ、私はない」
……また逃げた。
私って、臆病だったんだな。
「お前がなくても、俺があるんだよ。いいから、黙ってついて来い」
壱は強引に私の右手を引き、廊下に連れ出した。
「話って?」
そう聞いても、壱は窓の外を眺めるだけで、なにも言おうとしない。
「なにもないなら、帰るね」