片想い、余命2日


なんてグダグダ考えてたら、いつの間にか美術の授業が終わっていた。



結局まとまらなかったや。



「三沢由依、いる?」



すると、壱が美術室の出入り口に立っていて、私を呼んだ。



……周りの女子に睨まれるのですが。



私は必死に逃げるように、壱の視界から隠れた。



これが、嫉妬する資格のない行動だってわかっていても、反射的にやってしまう。



「由依、見つけた」



机の下に屈んでいたら、目の前に足があって、上から壱の声がした。



なんで中に入ってるの……!



「由依、話がある」


「わ、私はない」



……また逃げた。



私って、臆病だったんだな。



「お前がなくても、俺があるんだよ。いいから、黙ってついて来い」



壱は強引に私の右手を引き、廊下に連れ出した。



「話って?」



そう聞いても、壱は窓の外を眺めるだけで、なにも言おうとしない。



「なにもないなら、帰るね」

< 5 / 23 >

この作品をシェア

pagetop