片想い、余命2日
私がその場を離れようとすると、壱は私の手首を強く握った。
「……話、あるんだよね?」
「ある」
壱はそう言って、手を離した。
「由依、俺のこと、好き?」
「……は?」
なにを、突然……
じゃなくて、どうしてわかった?
自慢にはならないけど、バレないようにしてきたはず。
もしかして……
さっきあんなふうに怒ったから?
それがきっかけなの?
「なあ、由依。違うのか?」
そう確かめてくる壱の顔は、初めて見る真っ赤な顔だった。
「ちが……」
違わない。
そう言おうと思ったけど、気付いた。
私今、壱と二人なのに嬉しいって思ってない。
そっか。
私、壱に恋をしていると思っていただけなんだ。
「うん、違う」
「俺の勘違い、か」
なんだか壱、悲しそう。
……もしかして。
「壱、私のこと好きなの?」