王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~



 アイリーンとは、王都の有力貴族のご令嬢で、かつて私の患者だった女性だ。そうして今は、私の親友でもある。

「はい、アイリーンは私の友人ですが。アイリーンが、どうかしましたか?」

 若き日のアイリーンは、ひどいニキビ肌に悩んでいた。婚約者に容姿を手酷く侮蔑され、傷心のまま王都の屋敷を飛び出して、彷徨っているところを偶然に私と祖父母が保護した形だ。

 そこから紆余曲折を経て、かつて吹けば飛ぶような佇まいだったアイリーンは、今ではバリバリの女実業家に変貌を遂げている。

 今のアイリーンに向かって、まかり間違って手酷い侮蔑などしようものなら、こてんぱんにのされ、二度と使い物にならなくされてしまう事だろう……。
 
 え? ドコがって? ……そんなのは、私の口から言えるわけがない。



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