王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
聞かされたエミリーのあまりの魅力に、俺は眩暈すら覚えた。
「だからフレデリック殿下、エミリーは……って、聞いちゃいませんね?」
俺は運命を確信し、内から湧き上がる歓喜に打ち震えていた。
「エミリーとはなんと魅力に溢れるのだ! やはりエミリーは、俺の知る女性とは違う。その清らかさは、他の女性と同列に並べて比較するのすらおこがましい!」
鶏相手に怒鳴る? なんとも天晴ではないか!
俺の知る女性は鳥に鳴かれれば「きゃあ怖い」と叫び、ここぞとばかりに俺に縋る。俺に言わせれば、例え本当に鳥が襲い掛かって来ようとも、極楽鳥の羽よりもゴテゴテと飾り立てた武装と、鳥の嘴にも爪にも負けない鋭利な付け爪という武器があれば、十分に勝算はあり得ると踏んでいる。