王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
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ドンドンドン!
ドンドンドン!
「おい、頼みがあるんだ!! 開けてくれ!!」
まず、けたたましいノックにビクリと肩を揺らした。けれど直後、聞こえてきた声に、私は首を傾げた。
この声って、ミハル……?
「おい!? 居ないのか!?」
「! あ、はーい! すぐ開けます!!」
逼迫感漂うその声に、私は弾かれたように扉に向かって駆けた。この時ばかりは、常ならば忘れずに仕込む鈍器を忍ばせる手間も省いた。
なにより来訪者がミハルなら、一応知らない仲ではない。
ギィィイイイーー。
そうして扉を引き開ければ、開ききる前に、泣きそうに表情を歪めたミハルが飛び込んで来た。