王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「いえ、あの。今日はまず掛かる費用などを、大凡にお伺いできればと思っていて」

「えぇ、費用を心配されるのは当然ですわ。それも含めて、妹さんの症状など相談にのらせてくださいな。それに当店、初回の相談料は無料ですの。ですから、ご安心ください」

 女性は私の腰をしっかりと支え、笑みを深くして頷く。

 見方によっては、なんと心強い言葉だろう。だけど腰に回った女性の腕は、寸分も緩まない。

 私には、店先で返す気など更々ないぞという女性の意気込みが、ひしひしと伝わってくるようだった。




 そうして私は衝立で仕切られた応接ソファに案内され、女性から懇切丁寧な説明を受ける事になった。

 コンッ、コンッーー。

 しばらく説明を受けたところで、ノッカーが叩かれる。店に、新たな客があったようだ。



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