王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
薬師の倫理観に頼るだけでは、なんの根本解決にもならない。
これはいち薬師どうこうではなく、国家が法整備に乗り出すべき案件なのだ。
「左様でしたか。しかし国が法整備を進め、実際に取り締まりに着手するまでには、数年の時間がかかりましょうな」
アギレスの言う通りだった。
国が法に則って実際に摘発に着手するのを待っていては、時間が掛かりすぎる。それを待っていては、手紙の子供の家庭は、破綻してしまうかもしれない。
本来であれば、国の法整備を待って、然るべき対処を行うのが筋なのだが……。
「アギレス、其方の事だ。その薬を販売している薬師の動向も調べがついているのではないか?」
「……うむ。薬師は、王都の東大通りに店を構えるフレミー薬店の店主だ。配下の者に調べさせれば、すぐに販売の実体が知れた。驚くべきは薬を高額で販売して得た利益の行き先じゃ」