王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 国交正常化の布石として、現在は両国の大使館設置が外交大臣主導で進められている。

 そうして早ければ来年にも、大使の選定に入るだろうと見込まれていた。その選定もまた、外交大臣の推薦が多大な影響力を持つ事は必至だった。

「ええ。外交特使は多くの外交特権を与えられますので、悪事を画策するにはもってこいの地位となりましょう。また、仮に特使が爵位を有さない人物であった場合、特使としての任期を終えて帰国した暁には、陛下より栄誉爵位が付与される事も想像に難くありませんな」

 あこぎな商売で荒稼ぎを目論むような、そんな人物が我が国の外交特使に選ばれるなど、言語道断だ。

 大臣という地位にありながら、金に目をくらませて不正に手を染めた外交大臣もまた、決して許せるものではない。

「アギレス、腹立たしいが薬の販売に関しては現行法では裁く事が出来ん。まずは不正献金の罪状で摘発の準備を進める。それを暴ければ、特使への推薦如何に関しても、芋づる式に証拠が上がるだろう」



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