王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
ミハルはそんな俺の後ろを、寸分も遅れずについてくる。俺達は脇目も振らずに、東大通りのフレミー薬店に向かって駆けた。
「あそこの看板の店だな!?」
「はい!」
そうしてついに薬屋を視界に捉えたその時、家屋脇の窓から見慣れた柄の布包みが落ちてきた。
「! なんだ!?」
確か、あれと同じ柄のスカーフを、エミリーが持っていなかったか!?
俺の胸に、言いようのない恐怖が湧き上がる。心臓が、煩いほどに鳴っていた。
「布包みでしょうか?」
俺とミハルは駆け寄って、落ちたそれを掴み上げる。すると不自然に丸まった布は、まるで隠すように、中にノートを包んでいた。