王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
私の名前はエミリー。
サントマルク王国の東端、ニーディー村で薬師をして生計を立てている。
両親は早くに亡くなって、私は祖父母の元に引き取られた。けれど優しかった祖父母も、私が成人した年に、二人とも立て続けに逝ってしまった。
だから私はそれ以来、祖父母の残したこの小屋で一人で暮らしている。
天涯孤独の身の上が寂しくないと言ったら嘘になる。けれど私は思うのだ。あんなに仲の良かった祖父母だから、二人一緒でなければ生きてはいけなかったのだろう。
ならば立て続けの二人の死は寂しいけれど、決して悲しい事ではない。
だって私は、一人でだって生きていける。そう、自分なりに納得もしていた。
成人から二年を数え、私は今年で二十歳になる。一人にもすっかり慣れて、悠々自適の「おひとりさまライフ」を満喫する、今日この頃だ。