王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
私が痛みに呻きを漏らせば、患部に新しい冷却材をあて、優しく背中や腕を撫でる。額の汗を丁寧に拭い、張り付く不快な髪を撫でつけて耳に掛けてくれた。
喉が渇いたと思えば、求めずとも口元に吸い口があてらえた。しかもそれは、昼夜問わず。
痛くって、患部が燃えるように熱くって、苦しかった。
……だけど私は、孤独じゃなかった。
私も薬師をやっていているからこそ、分かる。
本当に辛いのは、孤独。辛い時に手を差し伸べてくれる人がいない事、それ以上に苦しい事などない……。
「昨日の抜糸の時に、マキロン先生が怪我をして六日目だと言っていましたから、今日で一週間にもなりますよね?」
そうなのだ。驚くべきことに、フレデリック様が私に付いてくれているのは、一日二日じゃない。
かれこれもう一週間、フレデリック様はずっと私の側に付いてくれている。