王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


「俺は、考え方を改めた。俺の思いを押し付けるだけではなんの改善にもならないという事に、遅ばせながら気付いたんだ。だから、エミリー!」

 ……この先を、聞くのが怖い。

「俺はこれからは、態度と行動で示す! 俺という男となら、恋も結婚もいいかもしれない、エミリーにそんな夢を持ってもらえるように、俺は努力をする。俺自身の振る舞いはもちろんの事、サントマルク王国軍第三師団団長という立場では、軍のあり方をもう一度考えなおしてみる。国防だけじゃない、もっと国民に密着した活動も、やりようがあると思えてきたのだ。そうして王宮議会に籍を置く一議員としては、ニーディー村をはじめとする貧困地域の活性化、女性の社会活躍、子育て支援、これらを推進し、ますますサントマルク王国を拓けた国へと変えていく」

 フレデリック様の雄弁に、また熱が上がってきそうだった。

 しかも何気なく、最初にサラリと告白されたような気が、しないでもない。……敢えてスルーするけど。

 ……ともあれ、間違いない。私は英美里としてのあれやこれや、それこそ自分の出生から、その後の親との確執。人生に男はいらないという、最もプライベートな部分まで、全部全部ぺらっぺらしゃべったんだ。



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