王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 正気だったら、絶対誰にも話していない。

 だけど熱が、正気を奪った……。

「あの、フレデリック様? 物凄く辛い事を言いますが、努力というのは必ずしも結果に結びつくとは限りません。目に見える数値や法整備といった目標ならばともかく、人の感情的な部分に関しては、一層その傾向が顕著です」

 フレデリック様は真摯な瞳を私に向ける。

 寸分も揺らがない、ブレない眼差しだと、そう思った。

「ざっくばらんに言えば、どんなに素敵な男性が現れたところで、私はきっと踏み出しません。それが一番安心で安全で、そして、居心地がいいからです。私は一人がいいんです。そうしてきっと、この心は変わりません。だから不毛な努力は、やめにしませんか?」

 私は敢えて、本音をぶつけた。



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