王子？団長？どっちもお呼びじゃありません！！～異世界悠々おひとりさま満喫日記～

　生意気で頑なな女だと、呆れてくれればいい。そして、こんな女にはもう構ってられるかと、背中を向けてくれればいい……。

「エミリー、その助言が俺に対しての予防線ならば、それは意味をなさん。もちろん俺の最終的な望みは、俺が愛するのと同じだけ、エミリーにも俺を愛してもらう事だ。けれどエミリーの言う通り、それは結果なのだ。そこまでの過程もまた、俺にとっては欠けがえなく大切なものだ。どれだけ真心を尽くしたか。どれだけ誠心誠意、愛を伝えたか。その為の努力を惜しまずにしたか、そんな過程にも意義がある」
　
　フレデリック様から返ってきたのは、想像すら及ばなかった誠実な言葉。

「……綺麗ごとですね。だって人は結局、欲望ですよね？　あれがしたい、これがしたい、それが欲しい。そんな過程に意義を求めるのは、なんだか横暴に思えます」

　気付いた時には、浮かぶ反骨心が私にこんな台詞を言わせていた。