王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「サントマルク王国は現在、隣国とも融和的な関係を築いている。軍が実際の戦闘に出向く機会は、実質無いに等しい。国防への対策は当然、確保しておく必要がある。けれど必要以上に、機能を持つ必要はない」
「というと?」
訊ねながらも、兄は続く俺の言葉に、見当がついているようだった。
「国庫を多く占める軍の規模と予算を縮小したい」
告げた瞬間、兄の目に隠し切れない興奮が浮かぶ。より良い国作りを模索する兄もまた、もしかしたら同じ構想を頭の片隅に持っていたのかもしれない。
「ほう。いかように縮小する?」
今、俺と対峙する兄の目は、紛う事無い統治者の目だった。その目を真っ直ぐに見据え、口を開いた。
「国政機能と重複する師団を、将来的には統合して纏めたい。我が第三師団は、ゆくゆくは薬科学庁と統合。海上戦に特化する第二師団も、海洋保安庁と統合し、機能を一元化させたい」