王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「反発が予想されよう? 強硬する気か?」
反発は当然、予想される。けれど反発を恐れ、日和見でいるのは、国の発展を阻む癌と同じ。
財源は有限。ならば限りあるそれらをどう、活かすか。
現在のサントマルク王国の世情を鑑みるに、俺は軍備力維持よりも、地方創生や貧困層の保護により財を投じたい。
なにより統合による効率を図る事で、国防の機能を低下させず、財源だけを圧縮する事も十分可能と思えた。
「強硬するのでは、意味がない。それでは権力支配と同じ。まずは説得から試みます。最終的には、票を投じて採決をするのでもいいと思っています。その票に破れたならば、それは俺の縮小案が早計であったと納得も出来ます。決めるのは、俺ではない。国の未来を思う全国民が、国の将来を選ぶのです」
聞き終えた兄は、重くひとつ頷いた。