王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
案の定、貴重な桃はエミリーの口に合い、これまでのどのメニューよりもエミリーの食は進んだ。事実、含んだ桃は瑞々しく、果汁は濃厚で甘かった。
けれど俺の五感には、桃よりも一層、エミリーが甘い……。
エミリーが俺の指を桃ごと舐め上げた時は、甘美な熱が指先から全身に巡り、トロトロと溶かされてゆくようだった。
更に突き動かされるように唇で触れたエミリーの肌は、果糖など及ばぬほど、脳髄から蕩けるように甘く、沈むように柔らかい。
エミリーと紡ぐ甘美なひと時に、俺は酔いしれた。