王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
え? 意気揚々と世界薬草図鑑を胸に抱き締めながら、目線だけアイリーンに向ける。
そうすれば、アイリーンの目が怪しげな光を帯びて輝く。
「ちょっ!? アイリーン?」
あたふたとする私を横目に、アイリーンはニンマリと笑みを深くして、枕辺に椅子を寄せて腰掛ける。そうしてズイッと身を乗り出すと、ニマニマと悪い笑みを浮かべたまま、私を見下ろした。
「で? なにを悶々してたのよ?」
ヒィッ! どうしてそこに、食いついてくる?
っていうか、どうしてそんなにノリノリなの!? アイリーンの勢いに、内心でビビる。
「ふっふっふっ、フレデリック様と何があったの? やっぱり好きになっちゃった?」
!!
……めっちゃ直球。しかもアイリーンには、どうしたって敵う気がしない。
親友への完敗を悟った私は、ガックリと肩を落とす。