王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
もしかすると、アイリーンの身にも今まさに、変革の波が押し寄せているのだろうか。
「この間ね、私、十三歳になる甥っ子と食事をしたのよ」
ここでアイリーンは薄く笑み、意味ありげに話題を変えた。
「甥っ子は、生意気にも好きな子がいるんですって」
……十三歳、それはまさに大人と子供の狭間のような、微妙な年齢だ。恋愛にも、ちょうど興味を示す年頃といえる。
「聞いてみると、お相手は少々ふくよかな少女らしいの。どうやら、ふっくらとした柔らかな笑顔が、可愛いくてたまらないみたい。で、問題はそこから」
ここでアイリーンの表情が険しくなった。
その鋭さに、震えが走る。
……女神もかくやの美貌というのは、怒気を孕むと最強に恐ろしいと、改めて知る。