王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~


 とはいえ、愛くるしい「虫けら」が、アイリーンの描く人生設計にまで影響を及ぼすには、今しばらくの時間を要する事になりそうだ。

「ねぇエミリー、親友としてひとつだけアドバイス。確固たる信念があるのは立派よ。でもね、日々を過ごせば新しい感情に気付かされる事もある。そんな時は、柔軟に信念の形を変えたっていいと思うの。変化は決して、恐れるべきものじゃない」

 驚きに言葉を失くす。
 私はただ、向かいの女神の如きアイリーンを見つめていた。

「だけどこれはエミリーだけじゃなく、私にも、他の誰にだって当て嵌まる。だって私たちは、日々流れゆく時の中を生きているのだもの」

 目から、ウロコが落ちる。



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