王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
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今日で、フレデリック様の訪れから三日が経つ。しかし、ふとした瞬間にフレデリック様が脳裏に浮かび、私をドキドキと落ち着かない気分にさせていた。
「……まぁさ、あれは反則だわよ。本物の王子様の、含みなしの笑顔なんて見ちゃった日にゃ、数日間は悶えるってなもんでしょう。ねぇコケオ?」
我が家の唯一の男性、ならぬ、おんどりに水を向けてみる。
だけどコケオは、なんだかツレナイ様子で首を巡らせて、隣のコッコにツンツンとちょっかいをかけ始めた。
「……うん。こりゃ、相談する相手を間違えたね」
私はよっこらしょと、しゃがみ込んでいた鶏小屋の前から立ち上がった。