王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
いざ言い切ってみれば、底知れぬ恐ろしさが湧き上がる。
自惚れた女だと思われた?
偉そうな事を言う女だと、呆れられた?
フレデリック様の反応を知る事が怖くって、逃げるように俯いた。
私にとって、フレデリック様に侮蔑の目を向けられる事は、恐怖に変換されるらしい。自分自身の感情に、戸惑いは隠せなかった。
俯いたまま、膝上で両手を握り締めた。
「エミリー、実は最初に言った物申したい事というのは建前だ。本当は、其方に会いたくて来た」
けれど、フレデリック様から返ったのは予想外の言葉だった。