王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
……とは言え、今回ばかりはアイリーンの気の回しすぎというものだ。
私はスックと椅子から立ち上がると、干していたハンカチを洗濯ばさみから外す。
そうして部屋の隅に置いていたコテをあてて大凡に皺を伸ばすと、畳んでアイリーンに差し出した。
「アイリーン、すごく助かる。それじゃこれ、アイリーンから返しておいてね」
「えぇぇ~っ!」
私の答えに、試した側のアイリーンが不満げに頬を膨らませた。
「ふふふ、どうしたのアイリーン? 応援は、出来ないんじゃなかったの? はい、とにかくこれはアイリーンから返しておいてね」
アイリーンは不承不承にハンカチを受け取ると、丁寧に手持ちの鞄の中にしまった。