王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
「……エミリー、私はもう結婚なんてこれっぽっちも望んでないし、ビジネス以外で男となんて関わりたくもないって思ってる。だけどエミリーは、必ずしもそうじゃないわよね? だって前に、お祖父様とお祖母様を見て、仲良し夫婦で羨ましいって言ってたじゃない」
そうして私に再び視線を向けると、こんなふうに言った。
「うーん、そうだった?」
アイリーンと出会った当時は成人を迎える直前で、まだ祖父母も健在だった。もしかすれば、そんな事を呟いた事もあっただろうか?
「んもう、エミリーってばしらばっくれて。……でも、まぁいいわ」
別段、しらばっくれたつもりはなかったのだが……。