王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
けれど、ある日を境に母の私への態度が一転した事。長じて、男女が二人きりで時間を過ごす事の意味を知った事。
総合して考えた時に、点が、線になって結ばれた。……父の、まるで汚い物でも見るかのような目の意味が、知れた。
この時より五か月前、私が最後に父とした会話。それが一家崩壊のボタンで、そのボタンを押したのは、他ならない私だった……。
幼児の言動。果たしてそれはどの程度の年齢から、どの程度の信憑性を期待できるのだろう?
それはおそらく、一概に何歳からと言い切れるものじゃない。けれど当時の私は同年の子らよりも、記憶力、言語能力に優れていたのではないだろうか……。
少なくとも母は、幼稚園にも上がる前のほんの子供だからと、私に対してそんな慢心があった事は間違いなかった。