王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~
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コン、コン。
薬草を全て吊るし終えたところ、まるで見計らったかのようなタイミングで、家の扉が叩かれた。
……さて、村民以外の訪問は一体誰ぞや?
最初に浮かんだのは、フレデリック様の顔だった。一瞬、本気で居留守を押し通そうかと思った。
けれど昨日の今日で、流石に連日の訪問はないだろうと思い直した。
「はーい、少々お待ち下さーい」
私は薬を求めに来たお客様である事に望みを託し、いつも通り鈍器を忍ばせてから扉に向かった。
キィィ……、、、キィィ――パタンッ。
けれど扉を十センチほど開けたところで、反射的に閉めた。